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2週間のアフリカ旅行に出て、帰国は10年後。その後も計40年間ケニアで暮らし、現在はマサイ族の家畜のボランティア診療など多岐にわたるNGO活動をしている獣医師・神戸俊平(かんべ しゅんぺい)先生が一時帰国中と聞いて取材してきました。時空を超えたサバンナへの小旅行で、あなたの野生がめざめるかもしれません。

驚きのエピソードが淡々と、次々に

今回は日本で神戸先生の窓口役を務めるアフリカと神戸俊平友の会事務局長の野口さんにもご同席いただきました。

神戸先生と野口さん
神戸先生(左)と野口さん(右)。後ろに飾ってあるのはマサイの花嫁衣裳!

― 神戸先生がアフリカへいらした最初のきっかけは何だったのでしょう。

神戸先生「アフリカに行きたいという気持ちは小学生から温めていました。父親が童話作家で、野生動物を主人公にした作品をたくさん書いていたので、それを読んで育った子供としては自然のなりゆき。上野動物園にもよく連れて行ってもらっていて、将来大きくなったらアフリカに行きたいと思っていたんです。野生の中で生活している姿と、檻の中とでは、きっと違うだろうと」

― 動物好きから獣医になられ、25歳で念願のアフリカへ。

野口さん「でもきっかけは単純だったんですよね」

神戸先生「日本でも学生の頃からヒッチハイクが好きで、よく無銭旅行していたんです。それで旅先で知り合った写真家の半沢克夫さんが、インドに行ったんですよ。半沢さんが『お前もアフリカに行きたいのに何で行かないの』って言うから、彼が切符を買った旅行代理店に僕も買いに行って」

野口さん「いわゆる当時のヒッピーですよ。旅仲間と話していて、売り言葉に買い言葉みたいな感じで」

― 1ドル360円、海外に行くこと自体が大変な時代。当然ガイドブックもありませんよね。

神戸先生「アフリカの安宿や定食屋で日本人の旅行者とすれ違うと、先のことを教えてくれるんです。安宿、車の乗り方、安くビザをとる方法、危険なところを回避する方法。当時アパルトヘイトがあった南アフリカに行くときは別の紙にハンコを押してもらうとか。パスポートに南アのスタンプがあるとよその国に行けなくなってしまうから。スペイン・マドリードのユースホステルに五大陸を旅した"番長"って仇名の日本人ヒッチハイカーがいて、彼の発信した情報が口伝えで届くこともありました」

ヒッチハイカー時代
ヒッチハイカー時代(1972頃)。ウガンダの赤道の上で。

― 2週間の旅行が10年に延びたというのもすごい話ですが、少しずつ延びたんですか?

神戸先生「途中でコンゴのジャングルでチンパンジーの赤ん坊をもらって、キキって名前をつけて飼い始めちゃったんで、帰ってこれなくなって」

― その様子を描いた『ボクとキキのアフリカサファリ』は、先生に子供のように甘えるキキが可愛くて、最後は涙なしには読めませんでした。(神戸先生は本書で児童文芸新人賞受賞。1987年にNHKで「さようならキキ」としてドラマ化されました。主演は宅麻伸さん)

Kiki
『ボクとキキのアフリカサファリ』は、2010年7月『キキの冒険旅行』と改題して講談社から刊行予定!

野口さん「キキは先生と別れたあと、肺炎で死んでしまった。そのときの後悔が、日本に帰らなかった理由のひとつだと思います。それでナイロビ大学へ行くことにした。ケニアで野生動物の治療がしたくても日本の獣医師免許は認められていないので。そこで、すごい縁があるんです。学費に困っていたら、たまたまレストランで前に座っていたアメリカ人のおじさんが『俺が出してやる』って」

― えーっ!!

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コメント

  1. ケニア(マサイマラ)では滝田明日香さんという方も日本人で獣医や動物保護活動をされていますが、何か連携プレーのような役割はあるのでしょうか?エリアが全く違うとか。

  2. >志賀正雄さま
    コメントありがとうございます。
    神戸先生が、ケニアで活動される日本人女性獣医さんがいると
    おっしゃっていたのが滝田さんのことかもしれません。
    とくに一緒に活動したりはなさっていないとのことでした。
    理由まではお伺いしませんでした。すみません。
    エリアの違いもあるかもしれませんね。

  3. はじめまして、青木見音子と申します。神戸俊平さんのことを読ませていただきました。コメントは、少し勘違いをして、「文と編集」に書かせていただきました。これをご縁にどうぞよろしくお願い申し上げます。

  4. >青木見音子さま
    個人ブログ「大坪有香 文と編集」までご来訪くださいまして
    どうもありがとうございました!
    コメント、ありがたく拝読しました。
    今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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