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バー「たまにはTSUKIでも眺めましょ」のマスター、髙坂勝さん

世の中はやれエコだ、スローだと騒がれるのに、我が身を振り返れば相変わらず仕事に追われる毎日。スローなんて無縁だ!と、思わず叫びたくもなるものです。そんな中、年収を600万→350万円と大きく下げながら、自分のペースで楽しく生きている人がいると知り、話を聞きました。「減速生活」の極意とは。

住宅街に謎のバー

その人の名は髙坂勝(こうさか・まさる)さん。西池袋の住宅街で広さ6坪のバー「たまにはTSUKIでも眺めましょ」を営み7年になります。駅の繁華街から遠く離れた場所にもかかわらず、開店以来一貫して黒字経営、しかも毎月10万円も貯金しているというから驚きです。

――こんにちは。それにしてもホントに目立たない店構えですね。

「道に迷われる方が多いです(笑)。以前は百貨店で働いていまして、人と話すのが大好きなので、バーを始めました。でも繁華街の喧騒はキライだし、来客が多くて忙しすぎるのも困るので(笑)、静かな住宅地のここにしました」

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落ち着いた店内。内装は全て髙坂さん自身で仕上げた

――順調な商売で、欲が出ませんか。

「フツウだったら店を増やすとか、規模拡大に走るでしょうが、それはしません。高度成長やバブルの頃と違って、経済全体が縮小する今は当時と同じ発想で働いていても、自分がしんどくなるだけですからね。パイの奪い合いの結末は、目に見えています」

あの頃、みんな苦しんでいた

――髙坂さんのターニングポイントは、いつだったのですか。

「サラリーマン当時、私は自分を厳しく追い込んでいました。出世競争に勝ち残り、売り上げでは好成績を残して、人づきあいもソツなくこなす。それはそれで楽しく、達成感もありましたが、バブルが崩壊して長い不況に入ってからは行き詰まりました。

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書棚には自然や社会をテーマにした本が

もちろん、自分に能力がなかったのでしょう。でもあの時、実はみんな私と同じように感じ、苦しんでいたと思います。高学歴や高収入が人生の幸せを約束するという価値観が、当時から自分の中ではっきりと揺らぎ、崩れていったんだと思います」

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