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友人のカメラマンからザザムシ漁の最盛期だから取材にいかないかといわれた。前から不思議だったのだが、なぜ長野の人は今でもわざわざザザムシを食べるだろう。その答えが知りたくて、天竜川までいってきた。

ザザムシを食べるのは長野県でも伊那地方だけらしい

ザザムシ漁をみるために長野までやってきたのは、一年で一番寒い時期の2月4日。ザザムシ漁は漁協の管轄ということなので、まずは天竜川漁協にいって情報収集。

同行カメラマンの友人である漁協のIさんによると、ザザムシというのはザザザザと水が流れるような、浅くて石がゴロゴロした川にいる虫の総称で、その正体はトビゲラの幼虫(クロカワムシ)やカゲロウの幼虫(カワゲラ)など。私にとっては食べ物ではなく釣りのエサだ。

ザザムシを食べるのは長野県でも中央アルプスと南アルプスに挟まれた天竜川沿いにある伊那地方(伊那谷と呼ばれている)のみで、流通の悪かった時代には「冬場の貴重なタンパク源」として各家庭で獲ってきて、家で料理して食べていたそうだが、さすがに今はあまりおこなわれていないらしい。ちなみに伊那はイナゴやハチノコ、カイコなどを食べる文化もある、日本有数の昆虫食地帯なのだそうだ。

わざわざ各家庭で各家庭で獲らなくなった代わりに、今度は漁師が獲るようになったのだが、ザザムシ漁をしていいのは漁協の組合員で、かつ獲るための鑑札を購入した人のみ(家庭用に器具を使わず箸でつまむ程度なら鑑札なしでOKだそうです)。海におけるウニやアワビよりちょっとゆるいくらいの扱いである。

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ザザムシ漁、地元では新聞に出るほどの風物詩らしいです。

漁師が獲るということは、それだけ商品価値があるということ。今だったら代わりとなるタンパク源なんていくらでもありそうなのものだが、このあたりでは今でもザザムシを佃煮にしたものが高級珍味として流通しているのだ。

昭和の頃までは年間10トン以上の水揚げがあり、ザザムシ漁で車を買ったなんて人もいたそうだが、今は河川工事によって護岸がコンクリートになってしまったり、温暖化で水温が上がった影響などでだいぶ減り、獲る漁師もいなくなったため、年間で数百キロ程度になってしまった。

減ったとはいえ、いまだにザザムシを獲る漁師がいて、ほぼ伊那だけで何百キロものザザムシを消費しているのだ。なぜ伊那の人はそこまでザザムシにこだわるのだろう。

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コメント

  1. 伊那谷在住の者です。
    しっかり取材されていて、地元としても嬉しいコラムでした。

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