
先日、「昔ながらの稲刈りを体験してきた」の記事でも稲刈りの様子を紹介していただいた「僕らの酒」プロジェクト。農作業日のランチは、田んぼ脇の西湘かまどで作られる。西湘かまどとは、なんぞや? 「僕らの酒」(以下、ボクサケ)の広報スタッフでもある自分に、ちょいと語らせてください。
西湘かまど増殖計画、ひそかに進行中?
ボクサケ田んぼを初めて訪れた人は、高台に置かれたかまどを目にして、「こんなものまであるんですか!」と驚いてくれる。ぼくらはすっかりかまど慣れしてしまっているが、たしかに、実際に使われているかまどをナマで見る機会って、あまりないのかもしれない。しかも、このかまどには、インド料理店でナンやチキンを焼く、あのタンドールまで付いているのだ。エヘン。

かまど炊飯は毎回やってみたいメンバーにまかせるのが理想だが、みんなが楽しみにしているお昼ごはんを失敗してしまったら……なんてプレッシャーを感じるのか、意外に希望者は少ない。
田んぼで農作業があるときはいつも、このかまどでお昼のごはんを炊いている。タンドールは炭火を起こしてフタをしておくと、釜内部の温度は200度以上に達するので、鉄串に刺した肉や魚を入れてフタを閉じれば、ごく短時間で、まわりカリッ、中はジューシーに焼き上がる。
タンドールパワーが一番よくわかるのは、焼き芋だ。一般的な石焼き芋はホクホク系だが、タンドール焼き芋は、しっとり系。安納芋や紅はるかなど、甘みの強い品種の場合は、これで焼いただけでスイートポテトのような味わいになる。

タンドール焼き芋は簡単!アルミホイルに包む必要もなく、鉄串に刺して立てかけておくだけ。
タンドール付きかまどを考案した、ぼくら「西湘をあそぶ会」(ボクサケ主催NPO)と、小田原のベテラン左官職人の岩越松男さんは、これを西湘かまどと名付けた。もっと地元に広めて、田んぼ以外の場所、いつも遊んでいる海や山や公園などでも、かまどが使えるようになったら素敵だ。
かまど造りの材料は、栃木県の大谷町で採掘されている大谷石。切ったり削ったりしやすい石材なので、昔から建物の外壁や塀などに使われてきた。しかし、老朽化が進んだ大谷石の塀は、地震などで崩壊しやすいため、最近では次々と姿を消している。
大谷石は蓄熱性が高く、ピザ窯やかまどに向いているので、ぼくらはこの伝統的な石材を捨てるのはもったいない、再利用しようと考え、古民家の解体現場などから、どっさりもらってきた。だから、お金は全然ないけど、大谷石だけはたくさんあるのだ。わはは。とほほ。

ボクサケ田んぼにストックしてある大谷石の一部。上に載っている紹興酒の壺が、タンドールに変身することはヒミツ。





