貿易赤字、原油高騰、そして巨大地震の脅威・・・現代ニッポンは不安だらけ。しか~し! 今私たちが体験している「ポスト3・11」の激動期は、モノ・カネ・競争のシステムから「脱・依存」する大きなチャンス。そんな時代の新しい生き方をガイドする、珠玉の6冊プラスアルファをご紹介します。
原発で働くということ
『原発労働記』
(堀江邦夫著、講談社文庫、648円+税)
3・11=東日本大震災と、その直後に起こった東電原発事故は、モノ・カネ・便利さを追い求めた「戦後ニッポン」が決定的に行き詰まりつつあることを象徴しているでしょう。
とりわけ、科学の象徴である原発が無残な姿をさらす様子は、電化生活の恩恵を受けてきた私たちに「今まで通りの生活を、これからも続けてよいのか」という疑問をつきつけました。世界でもまれな地震の巣の上に、54基の原子炉と隣り合わせで生きていることに私たちは「ようやく」気付いたのです。

福島第一原発事故を機に27年ぶりに復刊した『原発労働記』
3・11を機に27年ぶりに復刊した『原発労働記』(原題は『原発ジプシー』)は、著者が原発労働者として約半年、定期点検で運転を止めている美浜、福島第一、敦賀の原子炉での作業に従事し、その体験をルポルタージュにまとめたもの。
全面マスクの息苦しさ、目に見えない放射線の恐怖、下請け会社の「労災隠し」・・・。そこには「最先端の技術」という建前とは裏腹に、名もない末端の労働者の自己犠牲的な働きでようやく原発が動くという、『蟹工船』も真っ青の過酷な現実がありました。





