[photo by perledivetro]
海と山に恵まれた大磯町(神奈川県中郡)には、漁師も猟師もいる。漁師からはいつも旬の魚の話などを聞かせてもらっているが、猟師とは会ったことすらない。ぼくらが暮らしている住宅地から程近い里山で、彼らはどんなふうにイノシシやシカを捕まえているのだろうか。知りたい。話したい。そして、できることなら、猟を見たい。そんな長年の願いが、やっと叶った。
イノシシ漁が行われている里山へ、いざ!
BBQのイノシシ肉から繋がったベテラン猟師
昨年、大磯町で大玉柿栽培の名人を取材してから、地元のさまざまなジャンルで活躍する名人から話を聞きたい、と強く思うようになった。次は誰に会おうか、と考えたときに、頭に浮かんだのが「猟師」という言葉。丹沢あたりではイノシシの数が減っているが、大磯の山にはまだたくさんいて、狩猟シーズンになると、近隣の猟師たちが集まってくる、という話を聞いたことがあった。
そうは言っても、なかなか接点のない世界なので、どうしたらいいかわからなかったのだが、ある時、地元のBBQに参加したら、イノシシの肉がどっさり焼かれているではないか。しかも、「このイノシシを差し入れてくれたのはテッポウだよ」「さすがだな、うまいなあ、テッポウの肉は」なんてシビれるような会話が聞こえてきた。テッポウさんというのは、きっと大磯の猟師に違いない。これこそ接点だ。チャンスだ。ぼくはその声の主に頼み込んで、テッポウさんを紹介してもらった。
テッポウさんの本名は、堀口実さん(60歳)。BBQのときの話をすると、「え? オレはテッポウって呼ばれてるの? でも、今は鉄砲持ってないんだけどなあ」と笑っていた。
「22歳のときにはじめて猟銃の免許を取ったんだけど、そのころは銃がすごい人気で、今では信じられないくらい、趣味は狩猟って人がたくさんいたんだよ」。現在の大磯猟友会メンバーは16名だが、当時は80名前後が在籍していたそうだ。
堀口さんは、免許を取得した1週間後には、もう秦野市の親方(師匠)に付いて狩猟に出ていたという。「昔は80kgくらいのイノシシを撃ったら、すぐに地元の旅館が買い取ってくれてね。シシ肉は1kg1万円したけど、そこの宿泊客3、40人で食べるんだから、安いもんでしょう」。

2009年冬に伊豆の大賀茂でしとめた140kgのオスは熊のような迫力。イノシシの牙は魔除けグッズとしても人気とか。(写真提供/堀口実さん)
そんなシシ肉も、今ではすっかり売れなくなってしまった。シシ肉をウリにする旅館が減り、シシ肉を求める客も減り、「シシ肉あります」という貼り紙をした肉屋も見なくなった。堀口さんは、「イノシシが捕れてもシシ肉の好きな人に直接わけてあげるくらいで、もうなかなか売れないよ」と寂しそうに呟いていた。

大磯町では田畑を荒らすイノシシの害獣対策として、箱罠と呼ばれる檻25個を里山に設置。捕獲されたイノシシの処分は大磯猟友会が担当している。






初めまして。最近「世界屠畜紀行」という、本を読んだばかりだったので、興味を引かれました。お肉がどうして食べられるか、食卓から遠い現状で、この先の記事を楽しみにしております。ジビエを楽しむ豊かなココロ、かと思うのですが。お体に気をつけて、次回を楽しみにしております。
えびハルマキさん、はじめまして。このごろ「世界屠畜紀行」という書名をよく耳にするので、気になっています。今度読んでみますね。ありがとうございました!
西表島の干立集落でもこの時期イノシシ(カマイ)猟が盛んに行われています。
罠わ台湾から伝わった足が落ちるぐらいの小さな穴をほり木をバネにしてワイヤーでくくる
跳ね上げ式のククリ罠でとるんです。
解体方法も違っていて、暖かいところなので毛皮が必要ないので毛は焼き皮は食べます。
気候や文化の違いで解体方法が変わっていく面白いですね。
なおきさん、はじめまして。
西表は何度も行っていますが、残念ながら猟を目にしたことはありません。
一度だけ、上原のお店でイノシシのカルパッチョを食べたことがあります。
全然くさくなくて、素晴らしくおいしかったなあ。
こちらでも毛は使わずに捨てています。固すぎて何にも利用できないそうです。