こんなマタギみたいな人が大磯にいるなんて!

都道府県が交付する狩猟免許には、ライフルや散弾銃を持てる「第一種銃猟免許」のほかに、「わな猟免許」「網猟免許」などがある。堀口さんは諸事情により、今は猟銃を使わずに、イノシシが踏んだら地中に隠した輪が足にかかるくくりわなで猟をしている。「この免許を持っていると、ひとり31個までわなを設置することができるんですよ。オレは近くの山の5ヶ所に13個ほど仕掛けてます」。

イノシシの嗅覚は人間の6000倍(ちなみに犬は3000倍)という驚愕レベル。穴を掘って、くくりわなを隠す際には、もともと地表にあった土を最後にかぶせておかないと、「おいおい、いかにも掘り返したような根っこ臭い土が一番上にあるなんてアヤしいぜ」とイノシシに見破られてしまうそうな。猟師と獲物の知恵比べ、騙し合い……たまりませんな。

毎朝6時ごろ、出勤前に全部のわなをまわって、イノシシがかかっていないかチェックするのが堀口さんの日課だ。かかっていたら、トドメをさしてから、腹を割いて内臓を出した後、家のガレージにぶら下げて血抜きをする。7時には出勤するというから、この間、わずか1時間。

「夕方5時に帰宅するころ、ちょうど血抜きが終わっているので、そこから2、3時間かけてさばくんです」。話を伺えば伺うほど、堀口さんのイメージがワイルドになっていく。

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堀口さんがくくりわなを仕掛けるのは、イノシシの通り道。しかし、決して山奥ではなく、道路沿いや田畑の周辺など「毎朝チェックして回るときに、すぐ見えるようなところ」ばかりだ。餌は米ぬかとサツマイモ。

イノシシがわなにかかったところを見たい、とお願いしたら、「それなら明日以降、イノシシがかかっていたら6時過ぎに電話するから、すぐに来なさいよ。それまで、わなから外さずに待っているから」と言ってくれた。

もちろん起きますとも、ダッシュで駆けつけますとも!レバーが大好きなぼくは、イノシシを倒した堀口さんが、まだあたたかいレバーを「ほら、食べな!」と差し出してくれる場面を妄想してニヤニヤ。たとえカメラとノートを忘れても、醤油と小皿は忘れないぜ。

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くくりわなを仕掛けたら、必ず設置責任者の連絡先入りのプレートを掲示するのが決まり。「ケータイ番号が書かれているので、イノシシかかっているよ、って連絡もらうこともあります」と堀口さん。

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コメント

  1.  初めまして。最近「世界屠畜紀行」という、本を読んだばかりだったので、興味を引かれました。お肉がどうして食べられるか、食卓から遠い現状で、この先の記事を楽しみにしております。ジビエを楽しむ豊かなココロ、かと思うのですが。お体に気をつけて、次回を楽しみにしております。

  2. えびハルマキさん、はじめまして。このごろ「世界屠畜紀行」という書名をよく耳にするので、気になっています。今度読んでみますね。ありがとうございました!

  3. 西表島の干立集落でもこの時期イノシシ(カマイ)猟が盛んに行われています。
    罠わ台湾から伝わった足が落ちるぐらいの小さな穴をほり木をバネにしてワイヤーでくくる
    跳ね上げ式のククリ罠でとるんです。
    解体方法も違っていて、暖かいところなので毛皮が必要ないので毛は焼き皮は食べます。
    気候や文化の違いで解体方法が変わっていく面白いですね。

  4. なおきさん、はじめまして。
    西表は何度も行っていますが、残念ながら猟を目にしたことはありません。
    一度だけ、上原のお店でイノシシのカルパッチョを食べたことがあります。
    全然くさくなくて、素晴らしくおいしかったなあ。
    こちらでも毛は使わずに捨てています。固すぎて何にも利用できないそうです。

  5. 塩谷さん、初めまして。
    現在は東京で暮らしていますが、高校卒業まで大磯町で育ったものです。
    今でも月に2−3日大磯には行っているのですが、そこで知り合いの庭にイノシシが出ると相談され、私自身イノシシの肉が大好物なので、猟ができないかと考えていたらこの記事を見つけました。
    大磯猟友会で検索しても全く情報が出て来ないのですが、大磯猟友会と連絡を取ることは可能でしょうか。
    差し支えない範囲で情報頂けたら幸いです。

  6. 船橋さん、はじめまして。
    レスが遅くなってしまってすみません。
    漁ができないか、というのは、
    大磯猟友会につかまえてもらえないか、という意味でしょうか?
    大磯町と猟友会が合同で、いのしし退治の鉄檻を設置したりしていますので、
    町役場に聞いてみるのが一番良いと思います。
    よろしくお願いいたします。

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