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映画「100,000年後の安全」 (C)アップリンク

「100,000年後の安全」「プリピャチ」「核の傷」など、核と原発の問題にフォーカスしたドキュメンタリー映画を配給し続けて注目を集めるアップリンク。同社代表の浅井隆さんに、政府が原発再稼働の手続きを進める現状はどう映るのか、聞いてきました。

10万年は永遠と同じ

――東電原発事故以降、核をテーマにした映画を配給していますが

元々「100,000年後の安全」は東日本大震災や原発事故とは関係なく、それ以前に上映が決まっていましたが、昨年秋の公開予定を同4月に繰り上げました。福島第一原発事故直後は原発や放射能などに関する情報がとても少ない状況だったので、大きな反響がありました。

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アップリンク代表・浅井隆さん

3・11を通じて核や原発が抱える問題のベールがはがれた訳ですが、実はそれらの問題は3・11以前からあったわけで、しかも鎌仲ひとみ監督の映画「六ヶ所村ラプソディー」などですでに取り上げられてもいました。3・11以前に「100,000年後の安全」の配給を決めていたのも、つまりはそういうことです。

「100,000年後の安全」で描いているのは、原発から出る高レベルの放射性廃棄物の処理方法がないまま、原発が運転を始めたという問題です。たとえ原発が止まっていても、高レベル放射性廃棄物は存在し続ける。「トイレのないマンション」だということが分かっているのに進めてしまったのが原発です。

この映画の原題は「Into Eternity(永遠の中へ)」ですが、高レベル放射性廃棄物は10万年たたないと安全にならない。10万年前の人類はネアンデルタール人だったわけで、言葉も使っていなかった。10万年後はどうなっているのか、分かりゃしない(笑)。そうした時間の枠の中でしか安全にならないものがこの日本にもあるということを、映画を見た人はリアルに感じたと思います。

強欲だけでは説明できない再稼働

――ところが政府は原発を再稼働しようとしています

ひどいよね。「100,000年後の安全」は田中康夫議員が国会の議員会館で上映会をしたりもしたのですが・・・。まあ、上映したくらいで止まるわけはありませんが。ところで野田首相はどうして再稼働を決断したのか、わからないよね。一体何に突き動かれているのか。

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野田首相(中央) ※首相官邸サイトから引用

簡単に考えれば、経済界の意向が強く働いているのかもしれませんが、大企業の社長にしても家族や親戚がいるわけです。もし再び大事故が起きて、親しい人が事故に巻き込まれたりしたら・・・と考えると、そういうリスクを負ってまで再稼働するべきなのか。

強欲な企業であれば、金儲けしてリッチになるというのは人間の本性として分かります。自分だけ良ければいいと。でも、原発が再稼働して事故を起こせば、儲かればいいといっている会社も、その従業員も家族も全部ダメになるかも知れない。そもそも日本がダメになったら商売できるの? そこを考えられないという現象は、人間の強欲さだけでは片付かないものがあるのではないでしょうか。

――東電原発事故では大勢の人が福島を追われて、今も避難生活を続けていますが、事故は収束のメドもたたず、人々もいつ帰郷できるか全くわかりません。チェルノブイリ原発事故後を描いた「プリピャチ」は、フクシマの未来を暗示しているように見えます

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映画「プリピャチ」 (C)アップリンク

チェルノブイリもフクシマも、大量の放射性物質が放出されたけれども、放射線は調べれば調べるほどやっかいで、そもそも10万年間危険だし、低線量被ばくや内部被ばくの問題も、影響が見えてくるまでに20~30年以上はかかります。それに、もし仮に病気になったとしても、その原因が放射性物質なのか、タバコなのか、はたまた食品添加物なのかは、実際にはよくわからない。

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