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私たちが歩いている地面の下にある地層は、ふだん見ることができない。けれども博物館で地層断面を見るたびにその層の美しさに見惚れていた私は、カジュアルなかたちで地下の再現ができたら、と常々妄想を膨らませていました。
そこで今回、「食べられる地層」の制作にトライ。場所は都庁西隣にある新宿中央公園のおよそ地下80mまでのムースを作成し、現地にて試食会を開催しました。果たしてその味はいかに?

地面の下を覗いてみたい

私たちが踏んでいる地面の下は、およそ1000万年もの時間をかけて重ねてきた層で形成されている。その間に氷期や間氷期を繰り返し、ときには火山も噴火し、砂や土、礫が層となって、今日まで連綿と続いてきているのです。

そんな壮大な世界が自分の足下に広がっているかと思うと、実際に掘って地面の下を覗いてみたい気持ちがむくむくと膨らんできます。けれども何十メートルもある地下の世界は、スコップひとつではとうてい太刀打ちできない。地層を実感するにはどうしたら?と、今回はミニチュアで再現してみることにしました。

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新宿区の地形。新宿区は北部を東西に走る神田川を境に、台地の地質区分ががらっと変わり、目白や落合は武蔵野面の豊島台に属し、新宿や四谷は下末吉面の淀橋台に属する。

場所は、西新宿のニフティ本社近くにある新宿中央公園を選定。まずは新宿区の地形図を作ってみました。 緑色が標高の高い台地、青色が低地 、赤く型どったところが新宿区エリア。ちなみに新宿区は犬が振り向いたみたいなかたちをしています。(目白あたりが左耳、都庁が前足、神宮球場が後足に見えます、よね?)

今回、地層ムースを作成するにあたっての参考書は、貝塚爽平さん著の『東京の自然史』です。(この本は地形好きの間ではバイブルとの呼び声も高く、長らく絶版になっていたのですが、めでたく昨年、講談社学術文庫より復刊された素晴らしい本です。興味のある方、ぜひご一読を)

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山の手台地から下町低地にかけての模式的な断面:『東京の自然史』P52より。(図内:S面=下末吉面 M面=武蔵野面を示す)

その『東京の自然史』より転載の断面図に赤丸で示した箇所「下末吉面淀橋台」が、今回作成する新宿中央公園の地層。一つ前の地形図から分かるようにここは標高が約40mと23区内でも高く、全部で8の地層で形成される堅牢な台地エリアです。

それではデータが揃ったところで、次ページより地層ムースを制作していきます!

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新しい競技場をつくらないで、いまある競技場を改修するエコな五輪にしませんか?という思いが高まったようです。

コメント

  1. これは楽しい!おいしそうです。次は表土の形成に関わったミミズ君たちもあしらっていただければミミズ愛好家としてはうれしいかぎりです。

  2. こなみさま、コメントありがとうございます。ミミズは「土壌の内臓」とも呼ばれているのですね!素敵です。私たちが暮らす地面の下に蠢くドラマの複雑さ&多様さにあらためてしびれております。食べ物で再現するミミズ……そこをクリアするのがむつかしそうですが、いつかトライしてみたいです。

  3. すごいこだわりですね!ここまで行けば最高というレベルまで達してますね。すごいっ!!
    伊豆半島でも今、フィリピン海プレートに乗って南からやってきた特異な半島の成り立ちをテーマに、「ジオパーク」って活動をしていますが、その活動の一環で、地層や地形を模したお菓子づくりが始まってるんですよ。海底火山の水底土石流、凝灰岩の地層を切り出して使用した「伊豆石」、柱状節理の断面など、マニアックなお菓子を作ってる方々がいます。ジオガシ旅行団 http://geogashi.com/

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