販売パートナーの重要性

漁師から消費者までの間が複雑な流通システムになっていることが問題なのであれば、漁師が直接魚を売れば解決するのではないだろうか。最近はネット通販などに力を入れている農家も増えていることだし。

「漁師が直接売れば、漁師も儲かるし、消費者も安く買えるようになりますか?」

「残念ながら、上手くいかない場合が多いです。まず漁師は魚を買ったことがない。消費者の視点がないから、どうやって魚の魅力を伝えて良いかわからない。さらに、相場観がないから、漁師が付ける値段はすごく安い。薄利多売でなら売れるかもしれないけれど、それじゃ漁業全体の経済としては回っていかないんです。漁師が自分で売るよりも、ちゃんと適正価格で魚を売れる人とパートナーを組む方が良い。たとえばアラスカのカニ漁業は、漁業者と加工流通業者が経営統合をしました。カニを売った金額を漁業者と加工場で分ける仕組みにしたら、加工場がこういうカニを獲ってきたら高く売れるよっていえば、漁師はがんばってそれを獲ってくる。ちゃんと獲ってくれば漁師にリターンがある。Win-Winの関係です。」

「海で魚を獲る側と、それを買い取って価値を付ける側が一つになるだけで、だいぶ違う形になるんですね。」

「そこでやっぱり大事なポイントは、販売パートナーをどうやって作っていくかなんです。そこで被災地である陸前高田の広田町の漁師達とのミーティングを開いた後に、漁師から直で魚を買って、それなりの値段でいいものを出すというのが売りの四十八漁場という居酒屋チェーンを経営する、エー・ピーカンパニーの水産担当が知り合いだったので、広田町に呼びました。」

「おお、いったことないけれど、それを聞いただけで美味しそう!」

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後日、四十八漁場までニフティの清水さんと行ってきました。

「広田町にはケツブっていう貝がいて、これがケガニと一緒にすごく獲れるんです。でもお金にならないから海に戻していたんだけれど、漁師は普通のツブガイよりもこっちがうまいからこれを食うっていっている。なんで価値がないのかというと、殻に毛が生えていて見栄えが悪いというのと、殻がものすごく固い上にとても苦い肝があるから。ただ、身の味はものすごくいいので、ちゃんと殻を割って、肝をとれば、サザエなんかよりもおいしい。ケツブだとイメージがちょっと悪いので、『広田つぶ』という名前で出していますが、やっぱりすごくおいしいと評判です。」

「せっかくお店でお金を出すのだったら、そういうマニアックなものを食べたいですね。ケガニよりケツブがいいです。」

清水:「私、絶対食べにいきます!」

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右が憧れの広田つぶ(ケツブ)。これが入荷する日と店にいける日がなかなか合わず、記事の公開が遅れてしまったのだが、待った甲斐のある味。コリコリ感がすごいのだが、決して嫌な固さではない。広田町の海をギュッと濃縮したような味の濃さと、新鮮な貝類だけが持つやさしい甘さが堪らない。

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ようやくケツブを食べられた清水さんも大満足。思わず2皿目を追加注文するほど気にいった様子。

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殻を見せてもらった。手前がケツブ。思ったほど剛毛ではなかった。

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