担当者さんも「描かない側の人」だった

―― ところで、末岡さんご自身も絵を描くのはお好きなんですか。

「私はまったく描けないんですよ」

―― そうなんですか。ぺんてるってクレヨンやペンのイメージが強いので、絵を描くのが好きな人、得意な人が多いのかな、社内資料なんかにもササッと描いたイラストが添えてあったりするのかな、と勝手に想像していたのですが。

「デザイナーを除けば、むしろ描かない人のほうが多いです。私もそうなんですが、社内でもやっぱり、絵を描く、表現するということに対して一歩ひいてしまうという声が多くて」

―― だからこそ、表現に向かって一歩踏み出すきっかけになるような場所を作ったというわけですね。

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末岡さんに写真を撮らせてくださいとお願いすると「では社長の写真の前で」

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しゃ、社長……!?

―― お店で落書きの楽しさに目覚めた人や、遠方でお店まで来られないという人のために、自宅でも気軽に落書きを楽しむコツがありましたら、教えてください。

「『描いていいよスペース』を作ってみてはどうでしょうか。私は6歳と4歳の子供がいるんですが、駐車場に直接チョークで描かせていますよ。昔はよく道路にチョークの落書きがありましたよね。車が危ないというのもあるのでしょうが、最近あまり見かけなくなって、子供たちがのびのび描ける機会が減ったのかなあと、ちょっと寂しく思いますね。あとは子供たちと一緒に広告の裏になんでもいいから描いてみるのもいいかもしれません。子供は迷わず描けるので、それにのっかると、少し描きやすくなります」

―― チョークの落書きってめったに見なくなりましたね。たまに見かけると懐かしくてホッとします。うちにも落書き大好きの3歳の娘がいまして、「描いていいよスペース」を作ってもそこからはみ出して、手やら服やら、いろんなところに色をつけてしまうんです。今回「洗たくでキレイ カラーペン」という画材があるのを知って、これはいいなあと思いました。

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幼児と暮らしていると、こういうアイテムにすぐ反応します。

―― 体験型のカフェ&バーというのは珍しいですよね。お店での体験がこんなふうに広がったら、というのはありますか。

「手描きのアナログでシンプルなよさ、楽しさをたくさん実感してもらいたいですね。ひとつのテーブルで家族や友達と一緒に絵を描く、そういう時間を共有する体験。お店で遊んだあとも、コミュニケーションの中に手描きの表現が増えればうれしいです。言葉でなかなか伝わらなかったことが、ちょっと絵を描いたら伝わるということもありますし」

―― そうですね。私自身も子供を通じて、絵を描く楽しさを再発見しまして。「○○描いて」とせがまれて、最初はしぶしぶ描いていたのが、だんだん盛り上がってきて、頼まれなくても描き足していったりして。上手い下手とは関係なく、ただ純粋に楽しい。そんな時間が、ペン1本と描く場所さえあれば生み出せてしまうんですよね。

末岡さんに詳しいお話を伺って、落書きカフェで誰もがワクワクできてしまう理由が少しわかった気がします。どうもありがとうございました。

※取材当日、比較的お客さんが少なかったのは珍しいことで、本来は曜日・時間帯を問わず満席が続く状況だそうです。せっかくお店まで行ったのに入れなかったということのないように、ぜひご予約を。

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出口付近の落書きに、多幸感があふれていました。

【参考サイト】
GINZA RAKUGAKI Cafe & Bar by Pentel

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