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国立の街をあらわす一冊の“文庫目録”なるものが出版されたと話に聞いた。それは街の情報が掲載されたガイドブックでも小説でもないという。そんな不思議な“書物”読みたさに国立の街へ出かけてみました。

街は物語がちりばめられた“文庫”である

『国立文庫』は、こんな序文から始まります。

想像してみてください。小さな物語が無数に点在し、それらが集まって一つの「まち」ができあがっている様子を

その国立の「まち」に暮らす人々に話を伺い、集めた物語47編を1冊の本にしたのが『国立文庫』です。けれども、ただ物語を紹介するのではありません。そこがこの本の特徴的なところ、あくまで“文庫目録”となるように編集されているのです。

あれ、そもそも文庫目録って何だっけ?と思いますよね。
文庫目録とは、その社で出版した「本の題名・著者・解説文」の情報を一覧にした冊子です。目録そのものは手に取ったことがない人も多いかと思いますが、よく見かけるのは本の最後にある広告の数ページ。あのページが集まって冊子になっているのが文庫目録なのです。

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岩波文庫目録の見開きページから引用(クリックすると拡大します)。簡潔ながらも魅惑的に書かれた解説文に、本の続きが読みたくてムズムズしてきます。

『国立文庫』の文章も文庫目録の解説文と同じように、物語のエッセンスが凝縮されてあらすじの部分だけが書かれています。あ、どうなるのかな?と思ったところで「○○の正体とは?」と突然終わってしまったりする。つまり、書かれている文章は予告編のようなものであって、実際にその場所で暮らす人々の記憶の中にある物語が、文庫目録でいう本にあたる。だから、物語の続きを知りたかったら街に出なければならなくなる。いわばこの本は、街を歩くための“装置”の役割を果たすのです。

ここでちょっとだけ、『国立文庫』の中身をご紹介します。右ページには、題名と場所の名称、そして物語の紹介文。左ページにはその場所を示す地図。この見開きで1つの物語が編まれています。

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『国立文庫』の見開きページ(クリックすると拡大します)。解説文は150字前後で統一。地図を頼りに物語の場所にたどりつけるようになっている。

読めば読むほどに、そもそもなぜ文庫に?どういった経緯で作られたのか?など、興味が湧いてきます。そこで、文庫を制作したプロジェクトメンバーにお話を伺ってきました。

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