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今も旧東海道沿いや海辺に松の木がたくさん残っている西湘エリア。その松の葉でサイダーを作ってみました。

松林は天然酵母の貯蔵庫なのだ。

ワラの中に茹でた大豆を入れると、ワラについた納豆菌が繁殖して、ワラつと納豆ができあがります。それならばと、ワラの中に炊きたての白飯だけを入れて、お米そのものを納豆ごはん化してしまったこともあります。納豆をかけていないのに何となく納豆っぽい匂いのするごはんは家族に大不評でしたが、ぼくは感動しながら完食しました。あのリアル納豆ごはんは、これまでの実験人生における最高傑作だと、今でも思っています。

今回作ってみた松葉サイダーも、このワラつと納豆や日本酒、味噌などに通じる発酵系。ケミカルな材料は一切使っていないのに、天然の菌や酵母のパワーだけで、素材が全然違ったものに変わります。松葉サイダーの場合は、松葉に水と砂糖を加えるだけで、松葉に付いている天然酵母が砂糖を食べながら発酵し、その段階でシュワシュワと生じた二酸化炭素が、ただの水をサイダーに変身させてしまうのです。

作り方は、極めてシンプル。まず、海辺の松林へ行って、青々している松の葉を集めてきます。「松ぼっくりとロケットストーブでいろいろ調理してみた」のときもお世話になった場所です。

本当は梅雨明けごろの新芽がベストらしいので、できるだけやわらかな若い葉を摘みました。これまで何気なく眺めていた松林が、天然酵母の貯蔵庫のように思えてきました。

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床に置いておくと足に刺さったりしてキケンなので、すぐに仕込みをはじめましょう。

枝ごと水で洗ってから、葉を軸から1本1本はずして、ビンにぎっしりと詰めていきます。一度、ビンの9割くらいのところまで水を入れてみてから、その水をボウルに移して量をはかります。

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ひと房ずつ水洗い。雨の後だったせいか、とてもきれいでした。

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若い葉は根元のところから生えている方向へ引っ張っただけで、すっぽり抜けます。

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すっぽり抜けない葉は、付け根の茶色い部分をざっと取り除きます。松ヤニがベトつくのでビニール手袋をつけて。

ビン内に投入する砂糖は、その水量の10%程度の重さが目安。今回は水が約700ミリリットルだったので、70グラムの砂糖を加えました。最後に、先ほどと同じ量の水を入れてからフタを閉めて、ビンをシェイクして砂糖を溶かします。

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洗っておいたビンに詰めます。松葉は天地無用、できるだけぎっしりと。

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ビンの底をチェックして、砂糖が溶けていれば仕込み完了。

そして、日光を浴びて酵母が活性化するように、ビンを庭の日向に置きました。口が小さければ、ガーゼやキッチンペーパーでふさぐといいそうです。ぼくは口の広いビンを使ったので、フタをしっかり閉めて、そのかわりに時々ガスを抜くことにしました。日が暮れた後は、翌朝まで家の中に入れておきます。

初日の夜、ガスを抜くためにフタを開けたときに耳を近づけてみると、早くもプツプツプツという音が聞こえていました。それは、目には見えない透明人間みたいな天然酵母が、たしかに砂糖を食べまくっている気配。松葉サイダーができあがるのは、3〜5日後とのことです。

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