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今、全国で空き家が増加している。空き家といえば地方や過疎地をまず連想しがちだが、都市近郊でも事情は同じ。「空き家バンク」事業に取り組む神奈川県横須賀市で、紹介物件をみてきた。

港を一望 谷戸の家

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横須賀といえば軍港だ

三浦半島の南に位置する横須賀市。わけても東京湾を望む横須賀港は、背後に山が迫り、周囲は入り組んだ海岸線が取り囲む、というように天然の要害に恵まれ、戦前戦後を通して軍港として栄えてきた。また、海岸の埋め立て地には工場が多く立地し、そこで働く人々がその周囲に住んできたという歴史もある。

そんな横須賀市は平らな土地が少なく、しかも「谷戸(やと)」と呼ばれる、山裾に囲まれた谷地が多くを占める。そのため、住宅が急な斜面や丘の上にも建てられているのだが、そうした家々に面した道路は道幅が狭く、しかも急な坂道や階段が大半。その谷戸地域で今、空き家が増えているのだそうだ。

そこで市では、谷戸地に的を絞った「空き家バンク」を創設。市のウェブサイトを通じて物件の紹介を行っている。市都市計画課の島 憲之さんに現地を案内してもらった。

港に面した京急汐入駅から歩いて数分。そこはもう静かな谷戸だ。斜面のてっぺんまで家々が張り付いている。緑が生い茂り、空ではトンビやカモメが円を描く。

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汐入駅から歩いてすぐ。静かな路地が始まる

「横須賀で谷戸地に家が建てられたのは、軍港で働く人々の住宅を通勤に便利な場所に確保する必要があったからなんですね。何かあったらすぐに駆けつけられるように、歩いて港に行ける場所に建てられた訳です。

それが戦後に入り、港で働く人が減る一方、工場で働く人が増えてきました。各地で炭坑が閉じる中、働き口を求めて移り住んできた人も多かったそうです。近年に入ってからは工場が減り、住民の高齢化も進む中で、谷戸の住宅に空き家が目立ってきているのが実情です」(同)

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至る所、急坂ばかり。道幅も狭い

目指す物件は谷戸の頂上にある。市道の階段には自転車用のスロープが。そんな急坂を上っていくと、トタン屋根の木造平屋が点在するのが見えてきた。やはり空き家が目立つ。中には、荒れ果てて草に飲み込まれたものも。「空き家バンクではなるべく状態の良い物件を紹介していますが、屋根まで草が覆っているような空き家は、もう取り壊すしかないでしょうね・・・」(同)

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木造平屋(一帯では「バラック」とも呼ばれる)の空き家が点在

そうして額にうっすら汗がにじんできた頃、物件に着いた。

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「空き家バンク」で紹介中(記事掲載時点)の物件。庭が広い!

現在交渉中とのことで、外観を眺めるのみだったが、周囲を木々に囲まれた、大きな南面の窓と明るい庭が魅力的な家だ。敷地内には二階建ての納屋もある。そして振り返れば、門扉越しの眼下に横須賀湾を一望!

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わっと広がる港の風景

東京R不動産に掲載されても全く違和感がない、個性的な物件である。家賃もかなり魅力的。この物件に限らず「若い人の問い合わせが多い」というのも頷ける。

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