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家を改修しながら改修中の家に暮らすという、聞いただけではなかなか様子が想像できないお家を訪ねてきました。

「池袋モンパルナス」と呼ばれた、画家や彫刻家たちの仕事場であるアトリエ付き住居が並ぶ一帯が1920年代から1940年代にあったそうですが、訪ねたのはそのエリアにある一軒。

1934年に建てられた2階建ての家(築80年!)は、7年ほど前からリノベーション構想が練りはじめられ、計画1年、改修が実際にスタートして2年と少し。

家の中に入ってみると完成形は想像できるけれど、改修途中ということもわかります。

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パーンとひらけた印象のリビングとキッチン。床には養生テープがちらほら

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玄関入って左手の打ち合わせスペース。壁も床も仕上げはこれから

この家にご夫婦とお母さんの3人で暮らす春日部さん。だんなさんは建築家で、奥さんはパンを焼く人(プロフィールはこちら)。
仕事の合間に改修計画を練り、仕事の合間に改修を進めるご夫婦です。

大工さんじゃないとできない部分は大工さんが改修し、自分たちでできるところを自分たちで、生活しながら自分たちの住みたい家に作りかえる。大工さんの工事は終了しているので、いまは月に数回というのんびりペースで自分たちの改修作業が進行中だそうです。

家を建てる仕事に携わっている人たちだから改修作業も自分たちでできるのかな、と思ったら「リノベーション、リフォームに興味がある、考えながら作業をするのが好きなフリーの大工さんに出会えたことが大きい」とのこと。

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改修がはじまった頃の様子。リビングから玄関を見た図。木の壁も撤去された後の様子(※マークは春日部さんからお借りした写真です)

リフォームに興味のある大工さんの手によって、春日部さんたちのアイデアが実現していったようです。改修箇所は家の中。元あった状態の写真と見比べると、床も壁も天井もはがして、目に見えない部分の修復や耐震対策、断熱対策もして、ほとんど作り変わっているようにみえます。

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外壁は当時のまま。タイル張りの家が多かったそう

この家には使われなくなったアトリエがあり、天井が高く、夏暑くて冬寒い部屋をどのように作り替えるか、かなり悩んだそうです。半年以上考えて、「元アトリエは巨大な階段室」というコンセプトに決まりました。

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階段ができる前のアトリエ。光の入り具合でアトリエの窓といえば北側(左手)(※)

手すり以外、階段はできていました。分厚い板で、安心感のあるのぼり心地でした。ここは大工さんの仕事。

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階段の板は、元キッチンの床材に使われていた、昔現場の足場板として使われていた板とのこと。ふみ心地がよかったです。

キッチンで使用されていた、均一でない材料での階段づくりは家の手直しの山場の一つだったようで、大工さんが「うんうんうなりながらつくっていた」そうです。

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階段を降りるところ

おじゃました時には、生活用品や、電動工具に再利用されるのを待つ資材が並んで階段を横から眺めることができなかったので、階段の様子がわかる写真が次の一枚。大工さんが作業してます。

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ぜひ、横から眺めたい!(※)

「階段の中から光が漏れるように計画した」と、聞いただけでわくわくします。

家にはキッチンの床板以外にも、昔の家のパーツがあちこちに用途を変え散らばり生まれ変わっていました。
本棚の板が机の板になったり、大叔父さんからお父さんへと引き継がれた扉がキッチンにつけられていたり。

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ペンキを乾かしてました

2階の腰窓に使われていた白かった木枠が、ブルーになって寸法を調整してキッチンの棚の扉に生まれ変わるのもその一例。

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取り付けられたらこうなるよ、の図

元々大叔父さんの家にあった緑の扉は、お父さんに受け継がれた後、息子さんの代にキッチンの扉として使われます。

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左手の木の板を取り外すと、アーチ型の小窓が出現する。元アトリエと繋がる素敵なつくり

同じ場所でずっと使い続けられてきたものが、メンテナンスされ、使い続けられて役割をはたし続けるという、なんとも理想的な姿です。

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